萩原 義弘 写真集

「SNOWYU」

萩原 義弘
Yoshihiro HAGIWARA

2014年9月発行
4,000円+税
上製本/写真70点
サイズ  310×240×20mm

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 冬場の天気は変わりやすい。夜、月明りで撮影していると、急に曇ったり、雪が降ってきたりする。長時間露光の間に目まぐるしく変わる気象条件も加わり、それが1枚の作品となる。遠くからシカやフクロウの鳴き声が聞こえ、時にはキツネやタヌキが近くを歩いているのに気が付く。そして、自分自身の存在自体が自然と一体化していくように感じられる。

 被写体と対峙していると施設の跡や主のいない炭鉱住宅が賑やかだった頃が脳裏に浮かんでは消えていく。私は、炭鉱や鉱山跡を廃墟だとは思っていない。人々が去り、たとえ朽ち果てようとしていても、そこには人々の存在が残っていると思う。人の記憶は次第に薄れ、やがてなくなってしまうだろう。しかし、撮影し作品化することで、少しでもその記憶や存在を留めることができるのではないだろうか。そして、日本の近代化や戦後復興に貢献してきた産業の証として後世に伝えることができると思う。 春の訪れと共に消え去る一冬限りの風変わりな光景。私が撮影しなければ、もう二度と見ることができない風景でもある。

   

「SNOWY」

萩原 義弘
Yoshihiro HAGIWARA

2008年1月発行
3,500円+税
上製本/写真81点
サイズ  228×307×18mm

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この写真集の撮影地は、北海道の炭鉱跡、東北の松尾鉱山跡,飛騨の神岡鉱山跡である。

これらの鉱山は、かつて石炭や貴重鉱物資源の採掘地として日本有数のものであった。

いま日本には、かつての栄華の跡をとどめる鉱山跡が各地にある。

ほとんどの鉱山跡は、ひと里離れた山中にあって、訪れる人もなく、住居跡や施設跡がそのままの姿をとどめている。

山中の冬はひとしお厳しい。写真家は、冬の鉱山跡を訪れているうちに、人の暮らしの残影に降り積もる雪の美しさにわれを忘れたのである。

それは、たんに造形的に美しいだけではなく、人がかつてそこに暮らし、それもそう遠くないころの賑わいをわずかに伝える。

これらのぬくもりのカケラの多くが、写真家をこの地に招いたのである。

   
他社刊行物

    

「巨幹残栄 忘れられた日本の廃鉱 萩原義弘写真集

   

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